サブリース契約を結ぶ前に必ず確認しておくべきこと

『空室の心配はいりません。なんせ家賃を保証してますから、安心して収入を得ることができます。』これはサブリースや一括借り上げと呼ばれる契約を勧める、不動産会社のよく聞く宣伝文句です。

空室、滞納、家賃下落、その他のリスクの一切を不動産会社が肩代わりしてくれるため、一見するとオーナーにメリットが大きいように思えますが、そうではありません。

 

勧誘時においては、甘い見通しの事業計画を示すばかりで、一定期間経過後の家賃減額等のリスクやメンテナンス費用等のコストについての説明が不足している、ほとんどされていないなどの問題が見受けられます。
(国民生活2014年8月号より)

サブリース契約における注意点

サブリース契約にして、リスクが無くなったと思っても、実際は、リスクが見えなくなっているだけで、水面下では、ジワジワと空室、家賃下落といったリスクは進行しています。

 

借り上げ家賃は見直しされる

『2年に1度、保証家賃の見直しを行う』契約書や広告原稿をよく見てみると、細かい条項のなかに小さい文字で書かれています。

30年、35年保証といっても、新築と同じ家賃をいつまでも保障しているわけではありません。通常は2年に1度を目安に保証家賃が見直しされます。

そもそも、空室や家賃下落といったリスクは、建物の老朽化とともに大きくなっていきます。

 

 

自分の物件なのに誰が住んでいるのか分からない

サブリース契約では、基本的にオーナーは入居者に関する情報を知らされません。

そのため、契約を解除する際に入居者に家賃の振込先口座が変更になったことを伝える必要があるのですが、連絡先が分からないため、告知はが難しいという現状もあります。

告知が遅れてしまうと、解約したにも関わらずサブリース会社に家賃が振り込まれてしまうことあるのです。

サブリース契約を結んだとしても、入居者情報や共有するように依頼して、情報公開を渋るようであれば、不動産会社とのサブリース契約は再考しましょう。

 

契約の解約には、6ヶ月分の家賃が必要なことも

サブリース契約を解除する場合、違約金が設定されているケースも珍しくありません。たとえば『解約は少なくとも半年前に行わなればならない。契約を守らなかった場合は違約金として、6ヶ月分の家賃を支払わなければならない。』こうした厳しい条件がサブリース契約の解約には、課されているケースが大半です。

一方『オーナーが家賃の見直しに応じなければ、いつもで契約を解除できる』といった不動産会社に都合の良い条項を盛り込んでいる場合もあります。

 

家賃入金の遅れは危険のシグナル

サブリース契約にも関わらず、不動産会社から家賃入金が遅れているなら、すぐに不動産会社を変更してください。

なぜならば、家賃が未入金のまま不動産会社が倒産すれば、家賃を回収することもできなくなるからです。

 

注意点とまとめ

サブリース契約を結ぼうとする時、以下の点を必ず確認するようにしてください。

  • 保証料の見直し期間
  • 解約の予告期間
  • 違約金の有無
  • 更新手数料及び敷金の取り扱い

サブリース契約だからといって、不動産会社がいつまでもリスクをカバーしてくれるわけではありません。だからこそ、サブリース契約のトラブルも後を絶ちません。